子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍です。腫瘍と聞くと、がんなどを連想して不安になるかもしれませんが、腫瘍にも良性と悪性とがあり、子宮筋腫は良性の腫瘍です。子宮にできる良性の腫瘍には子宮筋腫の他に、子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮頚管ポリープなどがあり、悪性の腫瘍には子宮肉腫、子宮体がん、子宮頸がんなどがあります。
子宮筋腫はがんのように、健康な他の組織を破壊したり、他の箇所に転移したりということはないので、生命に危険は伴わないものです。子宮筋腫があると子宮がんになりやすくなるのではないか、と考える人も多いでしょうが、子宮筋腫ががんに変化することはありません。
子宮筋腫があるからといって、すべての人に症状が現れるわけではありません。かかった人の全体の60~70%は特に症状が表に現れません。子宮筋腫がその大きさや位置によって、月経量が増えたり、尿が近くなったり出なくなったりすることが問題になるのです。
女性に特有の病気の中でも、子宮筋腫はもっとも患者数の多いもののひとつです。現在、35歳以上の女性に20~30%、40歳以上の40~50%に子宮筋腫があるといわれており、最近では初経を迎える年齢が早くなっていることなどから、20代の女性に見られるようにもなっています。